impracticable theory 机上の空論

ポータブルオーディオ 主にカスタムイヤーモニター

須山 MyRoom 111L と BeoSound2 - 機器相性の話

前の記事にも記載がありますが,私が持っている須山111Lと現在発注出来る111Lはドライバ以外共通点はないはずです。
予めご了承ください。



須山111Lですが,ぶっちゃけ最初はあまりにも価格に見合わなさすぎると思っていました。


ハイ落ちが激しくナローで曇った印象でした。
mixiのカスタムイヤーモニターコミュに周波数レスポンスがあがっていますが,9KHz以降はばっさり落ちています。


iPod直差しやpicoで利用した時は金返せと思ったとか思わなかったとか
Klipsch X10の方がよっぽどコストパフォーマンス高いぞと
試聴機と高音の出が全然違いましたからね。
試聴機はER-4 + 低音という感じだったんですが…




それでもドラムキックの鳴らし方などはかなり気に入っていたので須山さんの協力のもと音響抵抗を試したりしてみました。
結局音響抵抗はブラウンで落ち着きデフォルトのグリーンと比べるとまだバランスのとれた音になりました。
そのあたりの試行錯誤はmixiコミュをご参照ください。





しばらくは使用頻度がかなり低かったんですが,ある時BeoSound2に繋いでみてびっくりする事に。
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BeoSound2ドンシャリめで音場が広いのが特徴的です。
解像度が高く厚みのある低音とドライめなミッド,前に押し出すようなハイと広い音場があり単体のDAPでは最高のアンプを搭載しています。
音場の広さはpicoに匹敵し,パワフルなサウンドは聴いていて非常に気持ちいいですね。
解像度の高さと音場の広さが相まって美しい残響を聴くことができます。
ただロスレスコーデックに非対応なので残念です。
あとホワイトノイズがのるという弱点も…
というかディスプレイもないですし,バッテリーは8時間しか保たないですし,いい音で音楽を聴くための機能以外は一切存在しません。



そのBeoSound2と111Lを組み合わせた場合,お互いの弱点は補完し得意な分野は相乗効果で更に良くなりやっと111Lの本来のパフォーマンスを発揮出来るようになりました。
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両者とも良好な低音は量感も解像度も十分に。
BeoSound2が苦手なミッドはそこを押し出しすぎるきらいのある111Lと組み合わさり適応範囲内に。
111Lではどうしても足りないハイはBeoSound2が出してくれます。


上記の組み合わせは非常に相性がよく,BeoSound2とUE10の組み合わせより好印象になるので,機器の相性はとても重要だと改めて実感しました。


また音源も同様で111Lにはロックやメタルが合います。
というかドンシャリサウンド以外はオススメできません。



ある意味ER-4と似ていますね。
ER-4は低音の量を求める人には『使い物にならない』アイテムですし。
反面得意な分野にはまったときのパフォーマンスは素晴らしいものがあります。




なんだか纏まりきらない文章ですが,今では111Lはお気に入りです。
メインで利用するには厳しいですが,気軽に使えるというメリットはカスタムでは貴重です。
相性をキチンと考えれば非常に優秀なサブ機になりますね。



欲を言わせてもらうともう少し安ければ…

より低価格でFidelityやUE4があるので競争力はかなり弱くなってしまいます。
音質的には同価格のtriple.fi 10 pro,SE530やUM3XなどのユニバーサルIEMの方が明らかに上ですし。
低価格な一台目のカスタムの需要にはかなり厳しいんじゃないかなと思ってしまいます。